高速道路のサービスエリアでは、以前からデジタルサイネージをよく見かけていましたが、最近では屋外・施設外にもデジタルサイネージを多く見かけるようになってきました。今回は高速道路のサービスエリアの屋外にあるデジタルサイネージについてご紹介してゆきます。
まずは屋外デジタルサイネージの機能面についてご紹介します。
ほんの5年前であれば屋外デジタルサイネージといえば、「故障しやすい」「ブラックアウトする」「導入コストが高い」などの課題がありました。近年では、各ディスプレイメーカーが各課題をクリアした既製品を提供し始めたことにより普及してきています。
●防塵・防水性能
設置予定地が風雨にさらされる環境である場合、防水・防塵規格をもつ機器を選ぶことはとても重要です。
電気機器内への異物の侵入に対する保護の等級が、IEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)によって、「IP○○」という表記で定められています。
○○の部分が等級に分かれ、等級によりどの程度の防水・防塵の効果を期待できるかの判断基準になります。例えば、最高等級のIP68ともなると、粉塵の侵入は完全に防げ、水面下での使用も可能です。屋外用のデジタルサイネージの場合、「IP55」や「IP65」などの性能を標榜した製品があります。「IP55」は、防塵・防水機能は十分にありますが、雨天時の長時間の使用には向きません。設置する場所としては、商店街のアーケードなど、屋外といえども屋根のある場所が向いています。
「IP65」であれば、たとえ台風でも対応可能です。
●温度調節機能
電気機器の故障を避けるためには、熱の対策も重要です。直射日光にさらされた際に熱くなり過ぎないよう、また冬場に冷えすぎないようファンやヒーターを内蔵した筐体があります。
●輝度
屋外でディスプレイを適切に視認するためには、ある程度以上の明るさ(輝度)が必要になります。明るさを表現する単位はいくつかありますが、デジタルサイネージでは、cd/㎡(カンデラ)という単位を利用する場合が多くなっています。
一般的な家庭用のテレビの場合、350~500 cd/㎡です。
屋内のデジタルサイネージの場合は、350~700cd/㎡が一般的です。
屋外にデジタルサイネージを設置する際の目安としては、1500~2500 cd/㎡以上の明るさが必要となります。画面が明るければ明るいほど視認性は高まりますが、その分値段も上がるため注意が必要です。機種によっては、輝度を調節可能なものもあります。
それでは、今回は中央高速道路にある談合坂サービスエリア(山梨県上野原市)の屋外デジタルサイネージをご紹介しましょう。
談合坂サービスエリア(下り)
屋外のデジタルサイネージが4台(6面)設置されていました。
46インチの2500cd/㎡の屋外用ディスプレイにオリジナルのスタンドを設置してあります。 非常に画面が明るく、日中でも画面がよく見ることができました。 また音声も流れており、お客様への情報提供に役立てていました。
システムは、LTEモバイル通信により遠隔でのコンテンツ更新やメンテナンスなどを実現しています。
46インチの屋内用ディスプレイを専用の筐体(ケーシング)で防水・防塵対策をしてあります。またケーシング内にスペースをあえて作り、暑さ対策も対応してあります。
2面で異なるコンテンツを表示していました。
談合坂サービスエリア(下り)
屋外のデジタルサイネージが1台(1面)設置されていました。
談合坂サービスエリアに限らず、どのSAでもより多くの利用者に周知するため、やはりよく利用されるトイレの前に設置されるようでした。
屋外用デジタルサイネージの普及により今まで設置しづらい環境(雨水がかかる、ホコリが多い、直射日光がかかるなど)にも設置できるようになったため、利用者の目にとまる場所、導線上に設置できるようになってきていることがわかりますね。
番外編 屋内用デジタルサイネージ
施設内の屋内用デジタルサイネージの撮影もしていましたので、設置状況をご紹介します。
屋内は、様々なデジタルサイネージが設置されていました。 スタンドタイプのデジタルサイネージはもちろん、マルチディスプレイ、タッチができるデジタルサイネージや発券機能と連携したデジタルサイネージなど、私が数えただけでも 上り・下り合わせて17面ほどありました。
最後に
いかがでしたか? サービスエリアには多くのデジタルサイネージが導入されており、また様々なタイプのデジタルサイネージが設置されていることがおわかりいただけたかと思います。
今回ご紹介した屋外用デジタルサイネージの内3台は、株式会社電縁が提供する「サイネージ・リレーション」でご利用いただいております。
株式会社電縁では、屋外のデジタルサイネージの豊富な導入実績がございます。デジタルサイネージの導入をトータルでご提供できる会社になります。
是非ご相談ください。
※屋外用デジタルサイネージの紹介はこちら
https://www.s-relation.jp/wordpress/seihin/construction/outdoor/