デジタルサイネージを導入するにあたって気になるのは、電気代をはじめとするランニングコストではないでしょうか。
導入にかかる初期費用はイメージできても、「結局のところ、継続的にいくらかかるのか」という部分が分かりづらいために、新規の導入に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、デジタルサイネージ運用でかかるランニングコストの全体像と内訳、その大まかな目安を、具体的な金額を用いてお伝えしていきます。
1.デジタルサイネージのランニングコスト
はじめに、デジタルサイネージを運用する上で継続的にかかる費用の全体像を見ていきます。
1-1.必ずかかるコスト
どんな運用形態を選択しても、必ずかかるのが電気代です。
店舗や会社の営業時間中、ずっとサイネージを利用するのであれば、1日につき9~15時間程度は電源を入れっぱなしにすることになります。
1-2.場合によりかかるコスト
その他のコストは、利用するサービスやシーンによってかかるときとかからないときがあります。
例えば、ネットワーク型のサイネージであれば、インターネット回線代やサイネージ提供会社のサービス利用料や運用・保守費用がかかります。
また、コンテンツを自作するのではなく外部委託するのであれば、新たなコンテンツに差し替える度に作成代行費用が発生するでしょう。
天気予報などの外部コンテンツを放映したいときは、その情報配信料が追加で必要です。
2.電気代はいくらかかるの?
では、どんな利用形態でも共通してかかるランニングコストである「電気代」の目安はいくらになるのでしょうか?
一般に、電気代は「消費する電気の量 × 量あたりの単価」で表されます。
サイネージの場合、特に消費電力が大きくなるのは情報配信を行うディスプレイです。
画面の明るさを表す数字である「輝度:cd/㎡(カンデラ毎平方メートル)」が大きい、またはサイズが大きいディスプレイを利用すると、その分電気代は高くなります。
ディスプレイサイズは利用目的により大きく異なりますが、輝度については屋内利用か、屋外利用かによって大まかな目安があります。
屋内で使用されるデジタルサイネージの場合は、350~1000cd/㎡が一般的です。
屋外に設置する際には、太陽光の明るさで見えにくくならないよう、1500~2500cd/㎡程度の高めの輝度が必要となります。
輝度の違いによる電気代の目安は、一日15時間使用する場合で、以下のようになります。
より正確に知りたい方は、使用したいディスプレイの消費電力を確認した上で、エネチェンジHP『自動で電気代を計算する「電気代シミュレーター」!電気代の計算方法もご紹介』等のサイトを利用して試算してみることをおすすめします。
3.その他費用はいくらかかるの?
次に、場合によって追加でかかる費用について見ていきます。
3-1.ネットワーク型を利用する場合
ネットワーク型のサイネージを利用する場合は、インターネット回線と運用・保守費用を含めたサービス利用料が必要となります。
スタンドアロン型・ネットワーク型・インタラクティブ型といったサイネージの分類については、こちらの記事を参考にして下さい。
『タイプ別総整理!「仕組み」で比べるデジタルサイネージ3タイプ!』
<インターネット回線代>
デジタルサイネージ用に新たなインターネット回線を用意する場合、料金の目安は月に5,000~8,000円です。
最近は、格安SIMを利用することでこの費用を月1,000~1,500円に抑えることも可能です。
格安SIMを利用して回線を用意する方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
『格安SIMで「クラウド型サイネージ」を安く導入!低コスト運用のススメ』
<サービス利用料(運用・保守の費用込)>
コンテンツ配信や運用・保守にかかる費用を合わせたサービス利用料は、1面につき月額3,000円~25,000円が目安となります。
価格によって機能の種類やサービスの質にも大きな違いがあるため、利用したい機能が多ければ高く、少なければその分安くなります。
3-2.コンテンツ制作を外部委託する場合
<コンテンツ制作費>
デジタルサイネージで配信するコンテンツは、ソフトウェアを用いて自分でつくることもできますが、外部の制作会社に委託することも可能です。
委託する場合、費用は新たなコンテンツを作る際に都度発生することとなります。
委託先の企業によって価格の上下差がかなり大きいので、費用対効果をよく考えて選択する必要があります。
一般に、自社データを渡して作成を依頼する場合は比較的安く、オリジナルでの制作を依頼する場合には比較的高くなります。
自分でコンテンツを作成したい!という方には、以下の記事がおすすめです。
『今日からできる!デジタルサイネージでのコンテンツの作り方・ツール紹介』
3-3.外部コンテンツを配信する場合
<コンテンツ配信料>
天気予報などの情報配信を行いたい場合の具体的な費用は、一面につき以下のようになります。
- 天気予報 月4000円程度
- ニュース 月2000円程度
- 占い 月500円程度
利用する面数が複数ある場合は、これらの金額に面数をかけたものが月々のランニングコストとなります。
まとめ
本記事では、デジタルサイネージのランニングコストを、必ずかかる費用(=電気代)と場合によりかかる費用(=インターネット回線代、サービス利用料等)とに分類し、それぞれの金額の目安をご紹介しました。
デジタルサイネージの運用を成功させるためには、導入前の段階で、ランニングコストを含めた運用にかかる金額の全体をきちんと把握しておくことが重要です。
そうすることで、サイネージを利用するメリットと必要なコストを比較した上での適切な導入が可能となります。
今回は導入でかかる費用のうちランニングコストに焦点を当てましたが、初期費用として必要な金額も知りたいという方は、以下の記事も合わせて読むことをおすすめします。