近年、地球温暖化による異常気象がニュースを騒がせています。
今年の夏の猛暑や記録的豪雨は、みなさんの記憶にも新しいと思います。
それだけでなく、2018年だけでマグニチュード6以上の地震が4回起きており、そのうち熊本地震と北海道胆振東部地震は特に甚大な被害を与えました。
このように、私たちの生活は常に災害と隣り合わせなため、もしもの時のために安否確認の方法は事前に決めておくべきです。
電話での安否確認はいざという時に繋がらない可能性が高いため、安否確認専用のツールの利用を推奨します。
しかし、巷ではたくさんの安否確認ツールがあります。
その中で安否確認は個人情報が関係してくるものなので、きちんとしたツールを選ぶことをオススメしています。
今回は自社で安否確認アプリを開発しているプロが選んだ「プライバシーの扱い方別、一押しのアプリ2選」を特集します!
1.プライバシーに対する考え方の違い
実は安否確認サービスに限らず、世界と比べて、日本はまだ「プライバシー保護」に対する認識が高くありません。
「プライバシー保護」の立場には主に、アメリカ型とヨーロッパ型の2種類があります。
結論から言えば、両者の違いは、秘匿性の保護範囲にあります。
アメリカ型:公権力からの干渉に対する個人の自由→狭義で一方通行のプライバシーを保障
ヨーロッパ型:人々の関係性のなかでの尊厳ある私生活→広義で有機的な意味でのプライバシーを保障
別の言い方をすれば、
- 公的機関の監視から個人が自由を守ろうとするアメリカ型
- 他者による不法な名誉の侵害から、その個人が相互に私生活を守ろうとするヨーロッパ型
です。
2.プライバシーは管理or公開?
<アメリカ型>
アメリカ型に倣えば、プライバシーは管理するべきものとなります。
個人情報が政府によって中央集権的に管理されることで、犯罪目的の他者によってアクセスされる危険がなくなるので、結果的に情報の安全性が保たれると考えるからです。
<ヨーロッパ型>
そんな管理型に対し、ヨーロッパ型のプライバシーは、情報公開を求めます。
アメリカのように個人情報が公的機関に掌握され、テロ対策と称して都合よくデータ・マイニングされる状況は、ヨーロッパ文化から見れば違法であると映ります。
そもそも、政府が保有する個人情報に誰もがアクセスできない状況は、透明性の欠如に当たるというわけです。
3.プライバシーの観点から選ぶ!安否確認サービス2選
本題の安否確認サービスですが、先ほどの欧・米のプライバシーの捉え方別にGoogleパーソンファインダーとgetherdという、2つのツールを紹介したいと思います。
<Googleパーソンファインダー>
GoogleパーソンファインダーはGoogleが運営している個人の安否情報の一括検索システムです。
圧倒的な網羅性の高さに定評があるこのシステムでは、世界中から集まったデータベースを、閲覧期限やアクセス権と言ったあらゆる側面で、Googleが一括管理しています。
そのため、Googleを中心とした中央集権的なプライバシーの管理形態となっています。
またGoogleパーソンファインダーでは、ユーザーがレコードを作成する際に、そのレコードの有効期限を設定できます。
レコードは設定された日付をもって期限が切れ、閲覧も検索もできなくなるだけでなく、数ヵ月後に災害が沈静化した際には、全てのレコードの有効期限が切れる仕組みになっています。
そのため、いつまでも個人情報が公開されることなく、プライバシーの管理が徹底されています。
<getherd>
一方、後者のgetherdは、株式会社電縁が運営する、小規模のコミュニティに適した安否確認システムです。
仮想通貨を支えるブロックチェーン技術が安否確認に活かされた国内初のサービス例であり、ユーザーの秘匿性が他と比べて圧倒的に高いものになります。
またブロックチェーン技術が用いられているということは、プライバシーを管理する媒体がなく、オープンになっています。
ブロックチェーンの仕組みがよく分からない方は、こちらの記事を参考にして下さい。
特徴としては、ユーザー同士の連携によって個人の安否情報がやり取りされます。
そのため中央集権的なサーバーが存在せず、輻輳してもダウンすることがないので、災害時の通信規制にかからず平常通り稼働でき、確実性が高いです。
つまり、これまでの話をまとめると
- Googleパーソンファインダー=アメリカ型(管理タイプ)
- getherd=ヨーロッパ型(公開タイプ)
となります。
この2つのより詳しい利用方法や、プライバシーにこだわらず、もっと多くの安否確認ツールをご覧になりたい方はこちらの記事をご覧下さい。
まとめ
プライバシーと一口に言っても、アメリカのように安全性をとるのか、ヨーロッパのように透明性をとるのか、好みは人それぞれだと思います。
安否確認ツールを導入する際には、価格に捕われず、そのツールの安全性や自身の求める機能がきちんと備わっているかどうかということを重要視して下さい。
是非この機会に、安否確認ツールの導入と、その選び方について、家族や会社の中で話し合ってみて下さい。