デジタルサイネージ市場は日本国内に限らず世界中で安定した成長を見せています。
なかでも先進国の躍進が目立つ結果となっており、様々な企業が独自の強みを活かした多様なサイネージを提供しています。
そこで、今回の記事では国内のサイネージから一旦視野を広げ、近年注目を集めている海外のデジタルサイネージ提供企業3つをご紹介します。
それぞれの特徴に触れ、多様化するデジタルサイネージの可能性を感じ取っていただければ幸いです。
1.RISE VISION
カナダのオンタリオに本社を置く企業です。
1992年創業の商用不動産サービスから2005年に分社化された企業で、様々な分野でデジタルサイネージを提供しています。
RISEVISIONにおいて特筆すべきはその利用実績です。
9000以上の団体、128カ国での実績があり、世界中で顧客を獲得しています。
ホームページ上では約30枚の事例紹介写真を確認することができます。
事例が紹介されている分野は教育やビジネス、医療、飲食など多岐に渡り、総合的なコンテンツ力や開発力の高さが強みになっていいます。
代表的なデジタルサイネージの提供先は、モンタナ大学、SHARP、Spotify、WWF(世界自然保護基金)などです。
日本の大手電子機器メーカーが含まれていることからも、いかに先進的な技術を持っていることがわかります。
Freeプランが存在することも特徴の一つで、基本機能と5GBのクラウドストレージを利用し、様々な画面にコンテンツを映し出すことが可能になっています。
注意したいのはFreeプランの場合はクラウドストレージの提供になるため、オフライン環境では利用できない点です。
オフラインでも利用可能にするためには有料版に契約を切り替える必要があります。
容量の追加などのオプションには課金が必要になりますが、有料版の場合は将来的に追加されるプラグインなどの機能も全て利用可能になります。
導入のハードルが低いことが人気の理由にもなっていて、オンライン環境で軽量のコンテンツを流し続ける場合はFreeプランでも十分な場合もあるほどです。
高度な表現などを追及する場合は随時課金を行うなど段階的な導入も可能になるため、他製品と比較する上での基準として利用することもできます。
2.Viewneo
ドイツのデュッセルドルフに本社を置く企業で、2013年にソフトウェア開発・販売会社として設立されています。
2008年創業のAdversign Media社の新規事業の一つで、デジタルサイネージ機器を扱うオンラインショップとしての販売実績をもとに、市場のニーズに合わせて最適化した商品開発・提供を可能としていることが強みです。
持ち味となっているのがクラウド型のサイネージです。
プログラムの自社開発や外注にこだわらない運用が可能なため、コンテンツの制作費を大幅に削減できる可能性があります。
プログラミングの知識がなくても、サイネージをviewneoとZapierを用いて100以上のアプリと連携させることが可能で、その使い勝手の良さから、海外のソフトウェア比較サイトやamazonで高い評価を得ています。
この機能を用いることで、Viewneoと天気アプリを連携させてその日の天候に合わせたプレイリストを再生することや、気温に合わせて商品の画像を表示するといった工夫を加えることもできます。
また、mini camera module があれば顔認識も可能で、年齢や性別データを取得し、最適なコンテンツを提供することも可能です。
プラグインも豊富で、最近では2018年のサッカーワールドカップロシアの情報を配信する「Soccer Cup 2018」など、Viewneo社独自のコンテンツを利用できることも魅力の一つとなっています。
30日間の無料トライアルが可能となっていて、期限内であれば全ての機能が試せるのも特徴です。
実際にコンテンツが実用できるだけでなく、様々なプラグインを試してどれが必要かを確かめることもできます。
3.ScreenHub
アメリカサンフランシスコに本社を置く、シリコンバレー発の2015年設立のスタートアップ企業です。
どのようなサイズ、比率のディスプレイにも対応可能なSaaSサイネージプラットフォームを提供しています。
利用するディスプレイの形に制限されないため、表現の幅が大きく広がるケースもあります。
特徴的なのはクラウド型サイネージの先駆けかつ、オープンソースのソフトウェアである点です。
オープンソースのソフトウェアは、世界中にソースが公開されていて自由に開発に参加できるという長所があります。
拡張性が高いだけでなく、便利な機能が次々と追加されていく可能性もあるのです。
Freeプランも存在し、1台に限り1GBのストレージを利用可能で、最大で25MBのアップロードが可能です。
容量の関係上機能はかなり制限されますが、導入の初期段階としてテストを行うには使いやすくなっています。
月99ドルの Pro Plan にはSite Analytics や Face Tracking Analyticsといった追加機能があり、顧客がコンテンツを利用する際のデータを活用してサイネージをより効果的に運用するためのサポートも行っているようです。
比較的新しい企業のため情報が少ないものの、今後の成長性や話題性の高さで注目されている企業の一つです。
まとめ
デジタルサイネージ市場の成長は著しく、様々な技術が生まれ続けています。
今回ご紹介した海外の先進企業のデジタルサイネージには、どれもFreeプランまたは無料トライアル期間が設定されているため、活用を検討するのもおすすめです。
すでにサイネージを利用している場合でも、別のサイネージを併用してみることで新たな知見が得られ、より効率的な運用のきっかけとなることも考えられます。
特に海外ではオープンソースで開発されたデジタルサイネージのプラットフォームも数多く誕生しているため、進化が一層加速する可能性があるのもポイントといえます。
国内だけでなく、海外企業の動向にも注目していくべきだと言えるでしょう。