街中の様々な場所やシチュエーションで活用されているデジタルサイネージですが、ホテルも例外ではありません。
ホテルはデジタルサイネージの機能を生かすには最適の場所といえ、様々な場面で活躍しています。
ホテル業界の市場規模は、インバウンド需要と2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて堅調に推移しています。
それに伴う設備投資などにより、これから益々デジタルサイネージが必要とされる業界といえます。
今回はホテルにおけるデジタルサイネージの活用事例を、今後の展望もふまえてご紹介します。
ホテルの種類は様々
ひとくちにホテルといっても、その種類や規模は多岐に渡ります。
利用する顧客層もホテルによって変わってきますので、ホテルの種類や規模によって、デジタルサイネージに求められる役割も異なると言えるでしょう。
ホテルの種類を簡単に分類すると、次のようになります。
●シティホテル
各都市の中心部に立地する、大型の、いわゆる高級ホテルです。
客室だけでなく、広いロビー・複数のバンケット・レストラン・プール・スパ・ジム・店舗といった付帯施設が充実しています。
ウェディングパーティー、会議、展示会など多種多様な催しが日々開かれています。
客層はビジネス客や国内外の旅行者など多種多様。レストランのみ、スパのみといった宿泊を伴わない一時的な利用もよくされます。
駅に直結していているなど、アクセスが非常に良い場合が多く、ホテルとしては公共性が高いタイプといえます。
●ビジネスホテル
駅から遠くても徒歩15分程度の距離にあることが多く、部屋の広さは抑えめで、内装や家具もシンプル。
しかし、最近は差別化のために、快適な睡眠をテーマにこだわりの寝具が揃っていたり、大浴場があったり、ユニークなサービスを提供するホテルも多くなっています。
シティホテルと同等のサービスを提供するビジネスホテルもあります。
もともとは出張するビジネス客が主な客層でしたが、充実したサービスと利便性の良さ、価格の面から旅行者にも人気があります。
大手がチェーン展開している場合も多数あります。
●リゾートホテル
避暑地や温泉地、海や山といったリゾートにあるホテルです。
ウェディング施設やレストランやスパなど、シティホテルと同じような付帯施設のほか、プールやテニスコートなど、より観光向けのアクティビティ施設が備わっています。
利用者は主に旅行者です。
ホテルでの主なデジタルサイネージ活用事例
●自動チェックイン/チェックアウトで時間短縮
ホテルに滞在する際に必須の手続きであるチェックイン・チェックアウトですが、思いのほか時間がかかるものです。
特に最終チェックアウト時間の直前は混み合うため、よけいに時間がかかります。
そんなときに、自動チェックイン・チェックアウト機があれば便利です。
タッチパネルの指示に従えば、予約の確認やチェックイン・チェックアウトの手続き、清算まで行うことができます。
利用客にとっても従業員にとっても時間の削減につながります。
とはいえ、にこやかなスタッフに迎えられ、広々としたロビーでひと息つきながらのチェックインも旅の醍醐味のひとつともいえるので、すべてのタイプのホテルに有効とも限りません。
単身客が多く、スピードが重要視されるビジネスホテルでの活用が比較的向いているといえます。
●ホテル内の各種インフォメーションに活用
エントランスやロビーの壁面、柱に設置されたデジタルサイネージには、インフォメーションボードの機能が活かすことができます。
その日にホテルで開かれる催しの一覧や、フロアガイド、季節ごとのイベントのお知らせといった各種の情報を表示することで、顧客満足度の向上をはかることができます。
レストランの入り口では、ポスターの代わりにおすすめのコース料理を鮮やかな色で表示することができます。
動画であれば、よりフレッシュさを表現することができます。
同じように、スパや店舗など付帯施設の店頭にデジタルサイネージを置いて、メニューなどを表示する場合がよくあります。
また、デジタルサイネージはシンプルな案内板としても重宝されています。
披露宴会場の入り口に掲示する「○○家 △△家 披露宴会場」と書かれた案内板が分かりやすい例です。
字の上手い下手に関わらず、誰でも容易に表示内容の変更が可能であり、万が一誤字が発生しても、すぐに修正をすることができます。
●観光情報などを多言語対応のデジタルサイネージで提供
観光庁が行ったアンケート調査によると、
訪日外国人が旅行中に特に困ったこととして
「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない」、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」を挙げているそうです。
日本は外国語を話せる人が少なく、街中に英語やその他言語のインフォメーションも不足しています。
また、交通網が発達しているがゆえにとても複雑ですし、空港が都市部と離れているなど、外国人にとって決して旅行しやすい国とはいえません。
デジタルサイネージは、そのような課題を解決する強力なツールとして期待されています。
ある都心のホテルでは、英語が話せるスタッフを夜間配置することが難しく、外国人宿泊客への対応が手薄になってしまうという課題を、デジタルサイネージを導入することで解決しました。
例えば、多言語表示機能を持つタッチパネル式のデジタルサイネージをインターネットにつなげ、利用者がウェブの地図サービスにアクセスして、ホテルから観光地や飲食店までの道順を簡単に調べることができるようにしているホテルがあります。
訪日外国人にとって、滞在中の拠点となるホテルで確実な情報を得られることは心強いことであり、ホテルへの満足度に直接結びつくものになるでしょう。
ホテルに対する印象はそのまま日本への印象に結びつくといっても過言ではありません。
●災害対応時にホテルでの使用を期待されるデジタルサイネージ
ホテルはその公共性の高さから、災害時には、宿泊客だけではなく帰宅困難者などが一時避難する場所としての役割を期待されています。
その際には、ホテル内に設置されたデジタルサイネージに災害情報を流すことで、避難者に対する正確な情報提供が可能になります。
ホテルにデジタルサイネージを導入するメリット
改めて、ホテルにデジタルサイネージを導入するメリットを整理してみます。
顧客側のメリット
- チェックイン/チェックアウト時間短縮
- 慣れない土地の、最新かつローカルな情報を得ることができる
ホテル側のメリット
- 会場や主催者名などに急な変更があった場合もデータを修正して反映するだけ
- 顧客満足度向上
- オリジナリティを加えることで、差別化ができる
- スマートさ、スタイリッシュさ、ラグジュアリー感を演出することができる
まとめ
訪日外国人の数は、年々増加の一途を辿っています。
2016年に日本を訪れた外国人は2,040万人であり、2017年は9月中旬時点で2,000万人を超え、前年を上回るペースです。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、政府は2020年までに訪日外国人観光客数を4,000万人、2030年には6,000万人に拡大する目標を掲げるなど、今後さらなる増加が見込まれています。
今後さらにホテルを利用する外国人は増加していくことでしょう。
外国人旅行者にとって有益な情報が滞在中のホテルで手に入れば、デジタルサイネージで日本らしい、かゆいところに手が届くような「おもてなし」を実現できるでしょう。
一方、ホテルは人によるサービスも魅力のひとつといえるため、可能な部分を全てデジタルサイネージに置き換えると、利用者にとってホテルでの滞在が味気ないものになりかねません。
人の心によるソフト面のサービスと、デジタルサイネージなどの利便性に特化したハード面のサービスと、適度なバランスを模索する必要があるでしょう。
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