近頃よく耳にするデジタルサイネージという言葉。
日本語で電子看板を意味しており、駅や道路、商業施設、アミューズメント施設、飲食店、アパレルショップなど多くの場所で接する機会があります。
例えば、電車のなかに設置された電子モニターを思い出してください。路線図や天気予報、最新ニュースのほか、企業のコマーシャルなど、実にさまざまな情報が止めどなく流れていますよね。
実は、デジタルサイネージに流れているこれらの映像の多くは、「外部コンテンツ」なのです。
では、企業広告と一緒にそんな「外部コンテンツ」を配信するメリットとは、何でしょうか?
今回は、サイネージの根本的なメリット、導入形態を整理したうえで、その答えを導き出していきます。
従来の広告媒体には無かったこの新しい配信スタイルの広告効果を知れば、デジタルサイネージの可能性を改めて実感できるでしょう。
デジタルサイネージの利用メリットとは?
1.多くの情報を効果的に配信可能
従来はポスターやチラシといった紙媒体の広告が主流でした。
今でも、店舗や構内の壁にディスプレイされた巨大ポスターを見かけることがあるかと思います。紙媒体の広告は、一枚にユーザーに伝えたいメッセージをすべて込めなくてはいけません。また、たくさんの広告ポスターを壁に直接貼り付ける行為はまわりの景観を損なう可能性もあります。
デジタルサイネージであれば、自動で広告を切り替えられ、一度に多くの情報を配信することができます。ディスプレイにはさまざまなサイズがあるので邪魔にならず、スペースに応じて設置が可能です。
2.ペーパーレスと人件費のコストカットが可能
ポスター広告は紙なので、当然月日が経てば劣化していきます。また、シーズンが変わるたびに、新しいポスターに貼りかえる作業が発生します。デジタルサイネージを利用することで、広告がずっと色あせることなく、面倒な貼りかえ作業も発生せず、いつでも最新情報の配信が可能です。ペーパーレスなので地球にも優しいといえるでしょう。データもすべてデジタルなので、修正作業や更新作業にもさほど手がかかりません。そのため、緊急速報といった即時性の高い情報もすぐに配信できます。
デジタルサイネージの導入形態とは?
デジタルサイネージの導入形態には、大きく分けて3つの種類があります。
SDカードやUSBメモリにデータを保存してデジタルサイネージで再生させる「スタンドアロン型」、ネットワークに接続されている「ネットワーク型」、ネットワークへの接続かつタッチパネルやモーションセンサーを搭載している「インタラクティブ型」です。
使用用途によって使い分けがされています。
1.「スタンドアロン型」
シンプルなつくりなので初心者でも扱いやすくコストも安いのが特徴です。しかし、その都度現地へ行ってデータを入れなおさなければならないので少し手間がかかります。
2.「ネットワーク型」
ひとつの管理用パソコンから複数のデジタルサイネージに更新をかけることができるので手間がかからず便利です。
3.「インタラクティブ型」
タッチパネルやセンサーなどが搭載されているので多機能。ユーザーとのコミュニケーションがとれることが特徴です。このなかでは最もコストが高いです。
デジタルサイネージの外部配信コンテンツのメリットとは?
デジタルサイネージは企業広告を流すことを主目的としていますが、自社広告を流すだけではユーザーの目に留まらず、集客の効果につながらないことがあります。そこで、自社広告を流す合間や広告の端に、ニュースや天気予報、占いなど広告ではない情報コンテンツを動画に盛り込みます。広告ばかりの動画ではユーザーが構えてしまい、情報が浸透していきません。
しかし、ユーザーの興味を引くような情報とセットで配信することで、広告への警戒を弱めると同時に、視線を広告へ向けさせることができます。
そうすることによって、ユーザーが広告を見ようと意識していなくても、自然と広告情報の記憶を脳に残せるのです。
外部配信コンテンツには、以下のようなものがあります。
・時事ニュース
―共同通信デジタル
―時事通信社
―株価情報
―為替情報
・天気予報
―天気予報・地震台風情報
―スポット天気予報(1日・3日間・1週間)
―桜前線予報
―花粉予報
―乾燥注意報
・鉄道運行状況
―JR
―その他私鉄
・防災気象情報
―地震速報
―津波速報
―台風速報
・その他
―12星座占い
―プロカメラマンの撮影したフォトギャラリー
―面白動画
―電力使用状況
―24節気
―レシピ
もちろん、ディスプレイの設置場所も考え抜かれています。
例えば、電車乗り換え経路の途中の柱や、電車・バス内のモニター、スクランブル交差点前の巨大モニターなど、ユーザーが必ず足を止めたり待ったりする場所や、必要な情報を得ようと必ず目を向ける場所に設置されています。中でも公共交通機関は秀逸です。移動期間は手持ち無沙汰なことが多く、ついつい動いているものに目を奪われやすくなります。そのため、ユーザーの空き時間を有効活用した効果的な集客を狙うことができるのです。
ちなみに外部コンテンツの配信料は、テキスト情報のみなのか画像つきなのか、+天気予報なのか+天気予報・占いなのか、配信情報の種類や数によって、かなりばらつきがあります。大よそ1台につき月額980~8,000円前後です。月額請求が一般的なので、予算と相談しながら配信内容を調整するなど、工夫して利用されているようです。
デジタルサイネージの外部配信コンテンツ事例
1.大手イベント会社
海外からの来訪者の増加に伴い、「光ID(光IDソリューションページ)」とデジタルサイネージの組み合わせで5ヶ国語に対応したシステムを導入しています。自社提供の広告に加え、催事情報、施設情報、観光情報、周辺地図情報、交通情報などの様々な情報をサイネージで配信しており、緊急災害時にはタブレットPCから簡単にデジタルサイネージの表示を緊急割り込み情報に切り替えることも可能となっています。
2.都内大学
新宿キャンパスへ向かう地下道沿いに、大学の取組みや最新技術のアピールを目的にデジタルサイネージを導入しています。新宿の地下道ということで多くの人の往来が毎日ある中で、大学についての研究や作品等の展示にデジタルサイネージを利用しています。しかし、大学に興味がある人はあまりいないだろうということで、多くの人の目を引くものとして取り入れたのが時計でした。デジタル時計がディスプレイに毎日表示されることで、地下を歩きながら時間がわかり、同時に大学のアピールにも気が付いてもらえるという施策を打ち出しています。
3.大手ネイルサロン
お客様へ癒しの空間を提供するためにデジタルサイネージを導入。導入するまでに、ディスプレイの大きさやコンテンツの質など様々な課題があったようですが、全ての課題をクリアにして導入に至っています。広告収入で運用費を軽減することも課題の1つでしたが、アドネットワーク(SNSなどの広告配信可能なネットワークを束ねて広告を配信するネットワーク)の仕組みを利用して他社コンテンツを配信することで、広告収入を取得してコスト削減が図られています。
まとめ
デジタルサイネージは、巨大ディスプレイからiPadのような小型のものまでサイズ展開も豊富で、用途もたくさんあるので、集客を目的とする広告ツールとして非常に便利です。今回は、外部コンテンツ情報をうまく活用することが、ユーザーの関心を買うためにも、コスト削減のためにも大切であることを、お伝えしました。デジタルサイネージの導入方法と併せて、ぜひ外部コンテンツの生かし方も考えてみてはいかがでしょうか?
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