デジタルサイネージやタッチパネルは、なぜ“今”日本に必要なのか? ~導入のメリットとは~

デジタルサイネージ タッチパネル メリット

昨今、駅の構内や観光案内版など公共機関や、ショッピングモールや店舗外装など商業用途において、デジタルサイネージの普及が進んでいます。
しかし、日本国内において、その数はまだまだ十分とは言えません。
来年2020年には東京五輪も控える中で、案内板や掲示板をデジタル化することは日本における喫緊の課題と言えるでしょう。

本記事では、情報発信ツールとしての案内板等をデジタル化することの必要性や、デジタル化することによるメリットに焦点をあてて、話を展開していきます。

コスト面で不安が残る方もいるかもしれませんが、大型ディスプレイだけではなく、個人用として販売されていてリーズナブルなものもあるので、懸念しすぎる必要はありません。

なぜ、“今”デジタルサイネージが必要なのか、本記事をご覧いただき、ご理解いただければ幸いです

※2019年6月13日更新

1.日本の特徴や国民性とグローバル化から考えるデジタルサイネージ、“導入の必要性”

デジタルサイネージ タッチパネル メリット

近年、世界中の主要都市でタッチパネルやデジタルサイネージを利用した広告・案内板の設置が進んでいます。
これらは、チラシやビラなどの紙媒体のアナログ広告と対比して、“ディスプレイ広告”などとも呼ばれています。

日本でも規模の大きな駅や商業施設などでは導入されていますが、GDPなどから見る経済規模に比べるとその普及度は、まだまだ発展途上だと言えます。

「別に時代背景に沿って、無理にタッチパネルやサイネージを取り入れなくても良いんじゃないか」という見解をお持ちの方もいるかもしれません。

ですが、実は日本が直面している現状と、導入によるメリットを考えると、こうした意見を素直に受け入れるわけにはいかない面もあります。
今や、こういったデジタル媒体の利用を積極的に検討することは、日本における緊急にして重大な事柄と言えるかもしれません。

1-1.グローバル化に対応する必要がある

そこまで強く言える理由の1つは、急速に進むグローバル化にあります。
インターネットやスマートフォンの発展とともに、経済・交通・人・モノ・情報などのあらゆる面で、国の境が昔ほどなくなってきているのが世界の実情と言えます。
同時に英語圏のみならず、日本を除くアジア諸国、ヨーロッパ圏などから、ビジネスや観光、留学で訪れる外国人の数はこれまで以上に増えています。

ところが、現代の日本人には外国語や外国文化に対しての知識・教養が決して十分であるとは言えません。
また、それらの情報をキャッチアップしようとする人の割合もそれほど多くないでしょう。

これは、グローバル化で直接的な発展が期待されている、観光業や小売業においては大きな機会損失となりかねない状況でもあります
同時にそれは、日本経済全体にとって大きなマイナス要因となる実情とも言えましょう。

世の中の潮流を踏まえ、外国を含めて関わる人々のことを理解して有効な手段でアプローチすることが大切なのです。

1-2.デジタルサイネージが経済的・機会損失リスクを補う

前置きが長くなりましたが、そんな経済的・機会損失リスクを補ってくれるのが、タッチパネルやデジタルサイネージの存在です。
外国人が訪れるあらゆる場所に、目的・ニーズに合わせて外国語を見やすく表示できるほか、デジタルとしてのメリットである情報表示の“スピード感”や“柔軟性”も兼ね備えています

また、導入の手続きやコストに関しても、個人向けや企業向けなど様々なタイプがあることから、決して手の届かないようなものではありません。
これらのメリットは、先に述べた経済的リスクを補うにとどまらず、様々な面でのプラスの効果をもたらすものでもあります。
詳細は後述するので、是非ご覧下さい。
続いて、これらはどのような場所で効果的に機能するのかということを、例を挙げながら具体的な導入のメリットとともに説明していきます。

2.デジタルサイネージ導入のメリット!“ホスピタリティ”と“コスト削減”

デジタルサイネージ タッチパネル メリット

2-1.デジタルサイネージを使う(見る)側のメリット

タッチパネルやサイネージ、インフォメーションボードを導入することの有用性を一言でいえば、利便性です。
まずは、「使う側(見る側)に対してのメリット」から考えてみます。
例えば、外国人観光客が頻繁に訪れるホテルが、ホテルに関する説明や観光案内の目的で導入したとしましょう。

ここでのメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 従業員との情報共有など煩わしいやり取りが不要
  2. 自分の知りたい情報だけを検索などにより素早く手に入れられる
  3. 調べたものに関連する情報を自然に知ることができる

海外旅行の経験がある方は共感していただけると思いますが、滞在先のホテルで何か情報を入手したいとき、フロントで上手く意志疎通ができずコミュニケーションに苦労したということはないでしょうか。
こうなると、限られた滞在時間が減るだけでなく、それがストレスになって観光を存分に楽しむ余裕も失ってしまいかねません。
そのもどかしさを解消してくれるメリットが、タッチパネルやサイネージにはあります。

2番目のメリットもこれに関連した内容であり、必要最小限の情報を母国の言葉で文字として提示してくれることは利用者にとって安心できるもので、時間と手間の面でも快適だと言えます。
インバウンドの観光客では、自国の言葉で情報を調べられる・見ることができるということだけでも大きな安心感を得られることに起因します。

さらに、求める情報に関連する情報が自動で表示されるようなシステムが取り入れられている場合もあります。
これは、対人のやり取りではなかなか実現できない、付加価値のあるメリットと言えます。

ここではホテルを例に挙げましたが、小売店での商品の案内や説明、飲食店での店頭広告やメニューの紹介などでも、“わかりやすい情報提供”は共通するメリットです。
言語の違いや時間の制約から、“人対人”では補いきれないホスピタリティを提供してくれるのが、タッチパネルやサイネージの役割でもあります。

2-2.デジタルサイネージを導入する側のメリット

次に、「導入する側のメリット」はどこになるのでしょうか。
1つは、経費削減につながることが挙げられます。
導入の際、恐らく最も懸念されるのはコスト面でしょう。

デジタルサイネージやタッチパネルが比較的新しい手法であることから、高いコストがかかるのではないか、という心配は当然あると思います。
ですが、実は多くの場合、むしろコストを削減できる可能性が高いのです

従来の方法は、紙媒体や人の手によるものが中心でした。
これらをタッチパネルやサイネージに委ねることによって、広告を張り替える際の印刷代や人件費が不要になります。
特に遠くの場所へチラシなどをはる場合は、交通費や移動時間・もしくは外部委託により余分なコストがかかっているでしょう。

パソコンで切り替え可能なデジタルサイネージへ変更すれば、広告費や人件費の削減につながることになります。
手間が省けることで、経営の効率化にもつながります。

また、紙媒体による宣伝や案内は「見慣れている」、「持つのが煩わしい」などの理由からどこか古さを感じたり、敬遠されたりしがちです。
その点、デジタルでの手法はその新しさからも人の目が集まりやすく、聴覚からも情報を届けることができるので、特に観光客向けには相乗的な効果が期待できます

価格や費用は“どこにどんなタッチパネル・サイネージを導入するか”によってかなりの差があるため、ここで具体的な数字は提示できませんが、導入する際の初期費用さえクリアできれば、年間にかかるコストを大幅に削減できる可能性があります。

3.デジタルサイネージを”導入しない”ことによって生じるデメリット

デジタルサイネージ タッチパネル メリット

日本は東京五輪のPRの中で、訪れる外国人に対しての“おもてなし”をキーワードとして頻繁に使っていました。
しかし、どれだけ愛想よく振る舞っても、言葉や態度だけの接客では本当の意味での“おもてなし”とは言えません。
実質的な快適性・利便性が備わってはじめて、相手をおもてなしすることができるのです

「今度、是非ウチに遊びに来てね!豪華な料理をごちそうするから!」と言われて、いざ行ってみたらカップ麺が出てきた、となると「あれっ?あんなに自信満々に招いてくれていたのに実際にはこれ?」ともどかしく感じますよね。

この例えはやや大げさだとしても、実際に日本を訪れた外国人に対して、もてなすための“現実的な準備”を怠ること(つまりタッチパネルやサイネージを導入しないこと)によって生じるデメリットがいくつかあります。
これは公共機関だけでなく、飲食店など個人単位でも対応することで、観光客の満足度向上に大きく貢献するでしょう。

3-1.潜在的な利益の損失

1つは、“機会の損失”です。
冒頭でも少し触れましたが、施設や交通などの情報を外国人にわかりにくい形のままで提示することは、観光客をはじめとした、外国人を誘致する機会を失いかねません。
飲食店を例に挙げて考えてみましょう。
たとえ料理の味に満足してもらっても、外国のお客さんが求めるサービスが行き届かなければ、お店での居心地は良くないでしょう。

そこで、デジタルによってわかりやすく案内表示ができれば、その場での緊張や不満を解消できるだけでなく、リピーターを生む可能性や口コミでの宣伝効果も期待できます
特に、SNSが普及している昨今では、“良い・悪い”の評判は雪崩のように波及していきます。
つまり、機会損失は、“潜在的な利益の損失”にもつながるということです。

3-2.従来の広告手法は柔軟性に欠ける

さらに、従来の広告手法はどうしても画一的な表示になりがちで、柔軟性に欠けるものがあります。
時代や流行によっては、時には中国からの観光客が多い時期、ヨーロッパからの観光客が多い時期など、多様な変化があり得ます。
また、海外の若者に人気なスポット、ファミリーが増えつつある施設など、客層の細かい点も常時変化していきます。

タッチパネルやサイネージは、こうした変化にも柔軟に内容を変更できる対応力を備えるとともに、画一的でない趣向を凝らしたオリジナリティのある広告・案内が実現できるのです

今後、日本ではますます外国語での情報提供を整備する必要性が高まっていきます。
観光にとどまらず、日本国内の人口減少もそれに拍車をかける要因です。
外国人労働者、移住者に住みやすい環境を整えることも大きな課題の1つとされています。

それは、接客を中心とした直接的な対応だけでは限界があります。
タッチパネルやデジタルサイネージは、日本人と外国人にとって、双方に良好な人間関係を築くツールでもあるのです。

繰り返しになりますが、個人単位のお店から大きな施設にとってはもちろん、日本全体にとって共通のメリットがあるということを最後に強く述べておきたいと思います。

まとめ

デジタルサイネージやタッチパネルシステムの必要性や導入することによるメリット、反対に導入しないことのデメリットについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

時代の変遷に従って、新しい技術やツールが存在してくるのは自然な流れとも言うことができます。
サイネージなどはまさに時代の流れによって現れてきたツールと言えましょう。

紙などのアナログ的な掲示板が駄目ということはありませんが、デジタル化の流れが顕著な現代社会において、案内版や掲示板をデジタル化するのは自然な流れと言えます。

2020年には東京五輪も控える中、改めて“おもてなし”とはどういうことなのかを考えていく中で、デジタルサイネージやタッチパネルシステムの導入がカギを握るのではないでしょうか。

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