訴求力の高さに加え、ポスターなど紙媒体にかかるコストがカットできるなど、多くのメリットを享受できるデジタルサイネージ。
メリットが多いとはいえ、実際に導入するとなると、ある程度まとまった導入コストが必要になることは予想できるかと思います。
しかし、導入を検討されている企業様によっては、そもそもデジタルサイネージについて詳しく知らなかったり、効果が未知数であったり、といった理由で予算が低く設定されていることもめずらしくありません。
実際、デジタルサイネージの導入・運用にはどれくらいのコストがかかるのでしょうか?
また、限られた予算のなかで自分たちの想定する運用に適したデジタルサイネージを選択するには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか?
今回は、デジタルサイネージの導入・運用にかかる費用をおさらいしつつ、よりコストを抑えるためのコツをお伝えします!
※2019年7月8日更新
1.デジタルサイネージ運用に必要なものとその価格は?価格の構成要素をおさらい
デジタルサイネージといえば真っ先に目に入るのがディスプレイですが、当然ながらディスプレイのみでは何も表示することができません。
ディスプレイ以外で必要となる代表的なものとしては、
- ハードウェア=セットトップボックス(STB)
- ソフトウェア=①コンテンツ・マネジメント・システム(CMS)、②表示させるコンテンツ
があります。
セットトップボックスとは、デジタルサイネージでコンテンツを再生するための装置(プレーヤー)、コンテンツ・マネジメント・システムとは、コンテンツの配信管理を行うためのシステムを指します。
また、当然ですが価格には幅があります。
例えばディスプレイの場合は、画面の大きさや屋外・屋内用など条件によってそれぞれ異なり、10万円台のものもあれば、数百万円に至るものまで多種多様です。
ディスプレイとSTBが一体となっている機器もあります。
購入するのか、レンタルするのか、データはローカルで管理するのかネットワーク上で管理するのか…などの条件や、導入する台数によっても必要な費用が変化します。
それぞれの一般的な価格帯の詳細については、以前「デジタルサイネージの導入費用はどれくらい?価格をリサーチ! 」という記事にて詳しく説明しています。
2.ハードウェアを低価格におさえるコツ!
デジタルサイネージの導入コストを抑えるためのコツを、まずはハードウェアの面からお伝えします。
2-1.ディスプレイはどれを選ぶ?
デジタルサイネージには当然ながらディスプレイが必要不可欠です。
最初に述べたように、ディスプレイは数多くの種類があり、価格にも幅があります。
例えば、画面の大きさ、液晶なのかLEDなのか有機ELなのかといった素材のタイプ、明るさ・防塵・防水といった各種スペックなどの条件により価格が変わります。
一般市場で売れ筋の、家庭用テレビで普及している37インチや42インチ前後の室内用液晶ディスプレイが最もコストパフォーマンスに優れているといえます。
2-2.デジタルサイネージプレーヤーはどれを選ぶ?
ディスプレイに繋いでコンテンツを再生するためのプレーヤーである、STB(セット・トップ・ボックス)も用意すべきもののひとつです。
STB本体の価格は、性能などによって差があります。
また、前述の通りディスプレイに内蔵されているタイプもあります。
STBは、希望する機能を無理に求める(オーダーメイド)のではなく、既成品のソフトに合わせた運用をすることで費用が抑えられます。
2-3.工事費
デジタルサイネージを設置する場所によっては、工事費が必要となる場合があります。
設置方法としては主にスタンド、天吊り、壁掛けなどがあります。
なかでもスタンドアロンタイプと呼ばれる、ディスプレイと台座が一体化しているデジタルサイネージは自立が可能なため、工事が不要でコストが最も抑えられます。
自立タイプゆえ設置場所を気軽に変えることも可能なので、導入しやすさから飲食店や小売店などの店頭でよく利用されています。
逆に、天井から吊るように設置する天吊りや、壁掛けの場合はディスプレイを支える専用の金具が必要になり、天井や壁に金具を取り付ける工事が必要になります。
しかし、天吊りや壁掛けタイプにすることで、空間を有効活用することができ、ぐっとスタイリッシュな印象になります。
さらに、頭上にあることで視認性が向上し、多数の人に同時に訴求できるメリットもあります。
天井などの強度が十分であるかは素人判断では難しいため、必ず専門業者に依頼するようにしましょう。
3.ソフトウェアを低価格におさえるコツ!
デジタルサイネージを運用するためには、ディスプレイなどのハードウェアのみならず、ソフトウェアについても予算を立てる必要があります。
多くの方にとって、デジタルサイネージを導入するとなって初めてその必要性を認識する部分でもあるでしょう。
3-1.CMSは無くても運用可能?
デジタルサイネージを運用するにあたり、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の利用も普及しています。
CMSとは一般的に、Webサイトの更新や修正などを、専門知識がなくても簡単にできるようにするソフトウェアのことを指します。
デジタルサイネージにおいてもCMSを活用することにより、コンテンツの作成や修正、必要なデータファイルの管理などが誰でも簡単に行えるようになります。
また、複数のデジタルサイネージにコンテンツを一括配信できる、デジタルサイネージがきちんと表示されているかといった監視(死活管理)ができるなど、デジタルサイネージの運用において多くのメリットがあります。
最低予算でデジタルサイネージを導入したい場合は、CMSを利用しないのもひとつの手です。
- 運用するデジタルサイネージが1~数台程度で、いつでも手に届く範囲にある
- コンテンツの更新頻度もそれほど多くない
といった場合は、コンテンツの作成はPowerPointといった手持ちのオフィスソフトを活用し、データをUSBなどの外部記憶媒体に入れて手動で移動させることで、多少の時間的コストはかかるものの、金銭的なコストをカットすることができます。
一方で、
- 導入台数が多い
- 遠方や天井などすぐには手の届かない場所に設置する
- 手持ちのソフトでコンテンツを作成するスキルが乏しい
- 運用にかける時間を最小限にしたい
といった場合は、CMSを利用したほうが、圧倒的に運用が楽になるでしょう。
CMSを導入しつつもコストを抑えるコツは、ネットワークを通じてコンテンツを配信する際、コンテンツを動画ではなく静止画に絞ることです。
これにより通信料を抑えることができます。
3-2.コンテンツは自作してみる
デジタルサイネージ導入後、どのようなコンテンツをどのような更新頻度で表示させるかといったプランは立てていますか?
ひとくちにコンテンツと言っても、静止画のみのコンテンツと動画コンテンツ、外部コンテンツの利用など、コンテンツのタイプにより必要となるコストは大きく異なります。
また、更新頻度もコストに影響する要素です。
前述したように、PowerPointなどの既成のソフトウェアでコンテンツを作成することが可能ですので、導入コストを抑えるためには、自作してみることをおすすめします。
コンテンツを自作する際のポイントや詳しい作成方法は、以前の記事「今日からできる!デジタルサイネージでのコンテンツの作り方・ツール紹介」にて詳しく説明していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?デジタルサイネージをできるだけ低コストで導入するためには、価格を構成するあらゆる要素についてあらかじめ理解しておく必要があることを知っていただけたのではないでしょうか。
また、導入の際には、送料や保険料なども別途必要になる場合があるので、気にかけておく必要があるでしょう。
それぞれの要素について理解した上で、自社の想定する運用に必要な機能を再検討し、予算に合わせて採用する機能を調整してくださいね。