デジタルサイネージを導入したのはいいけれど、その後の運用面でつまずいてしまう場合が実は少なくありません。
コンテンツを更新する時間がなくて、いつも同じ内容を表示している…
コンテンツ更新用のソフトが使いこなせない…
ハードウェアのトラブル、どう対処したらよいのか…
こういった事態に陥らないためには、どうすべきなのでしょうか?
今回はデジタルサイネージの運用にまつわるそんな不安にお答えすべく、デジタルサイネージを生かすためのスムーズな運用のポイントをご紹介します。
デジタルサイネージにおける運用とは?
新しい情報をタイムリーに表示することが可能であり、ポスターなどの紙媒体と比べて高い訴求力が期待できるなど多くのメリットがあるデジタルサイネージ。ここ数年で認知も普及も進み、街なかで見かけることが多くなってきました。しかし、メリットが大きいからと、ただ導入すればそれでOKという訳ではありません。
デジタルサイネージならではの機能を生かすためには導入後の運用こそが大切です。継続的なコンテンツの制作、配信スケジュールの設定といった日々の運用と、ディスプレイやSTBといったハードウェアの定期的な保守・メンテナンスが必要となります。
また、トラブルが発生した場合には早急に対処する必要も発生します。
それらを含めてデジタルサイネージの運用といえます。
そして、それぞれのオペレーションに対して、人材リソースや金銭コストの確保が必要となります。
例えば、不動産仲介会社での失敗例をご紹介します。
通行人に向けた物件情報発信のためのツールとして店舗の通りに面した窓に、デジタルサイネージを設置。定期的に物件情報の入力を行い、表示内容を更新する運用を想定していました。しかし、繁忙期になるとコンテンツ更新する時間的・人的リソースが確保できず、いつも同じ内容が表示されている事態に陥ってしまいました。
日々変化する物件情報をデジタルサイネージに表示させるためには、こまめなコンテンツ管理が必要となります。
運用ができないと、デジタルサイネージが機能しない時間が長くなり機会損失を招きます。
事前に導入の目的や求める成果などをしっかりと検討した上で運用計画を立て、担当者を決めてリソースを確保し、しっかりと業務内に組み込む必要があるのです。
リソースやコストがどれくらい必要であるかは、次のような条件によって異なります。
・設置台数
・設置場所
・非ネットワーク型かネットワーク型か
・運用する期間
例えば非ネットワークのスタンドアロン型で1,2台を運用するのと、ネットワーク型を数十台管理しなければならないのとでは、管理に必要なリソースやコストがかなり異なります。
日常でのコンテンツ更新
デジタルサイネージ運用で日々のメインとなる作業はコンテンツの作成や管理です。コンテンツ更新作業のおおまかなフロー は次のとおりです。
- 企画デジタルサイネージで表示する内容を検討する
- 制作素材を集め、コンテンツを制作する
- 登録・設定完成したコンテンツをシステムに登録して配信スケジュールを設定する
- 配信コンテンツを端末へ配信する
自社製品を紹介するなど、手動更新が必要なコンテンツの場合は、静止画にするのか動画にするのか、作成するためのツールは何にするのかなどにより作業に必要な時間が大幅に異なります。場合によっては専門的な知識も必要となるでしょう。
また、コンテンツを更新する頻度が多くなるほど、ソフトでのコンテンツ登録や配信スケジュールの設定も多くなり、そのためにリソースを割く必要が出てきます。
コンテンツ更新には、負担軽減のためにいくつかポイントがあります。
・テンプレートでコンテンツ作成時間を短縮
コンテンツ更新作業にまつわる運用の手間を軽減するためには、訴求内容ごとにテンプレートを作ってコンテンツ作成時間を短縮することがおすすめです。
オススメ商品の紹介用・安売り情報用・イベント情報用など、訴求したい内容に合わせたテンプレートを用意し、画像や文言を変更するだけでコンテンツが簡単に作成できるようにします。
テンプレートを作っておくことで、あまり時間やコストをかけずにタイムリーなコンテンツ配信が行えるようになります。
・外部コンテンツを導入する
長時間にわたりデジタルサイネージを表示させる場合、自社で用意したコンテンツの繰り返しばかりだと、視聴者が飽きてしまいます。かといって、次から次へとコンテンツを作成し変更する運用には限界があります。そんな時は外部コンテンツを利用するのもひとつの方法です。
コンテンツプロバイダと呼ばれる企業から提供される時事ニュース・天気予報などの、常に最新の情報を自社のデジタルサイネージに配信することで、常に新鮮なイメージを効率的に視聴者に与えることができます。
既に完成されたコンテンツであるため、作成の手間を省くことが可能です。
また、単にコンテンツの合間を埋めるだけでなく、自社の広告に誰にでも有益な情報を流すことで、広告そのものの注目度の向上がはかれます。
保守・管理とトラブル対応
デジタルサイネージを正常に運用するためには、保守や管理、トラブルへの対処などもあらかじめ運用計画に盛り込んでおく必要があります。
例えば、コンテンツがきちんと表示され続けているか、あるいは画面がフリーズしていないかどうか、画面を常に誰かが見続けるわけにはいきません。その場合、デジタルサイネージ自らが自動的に監視し、アラートをメールなどで発信、自動復旧するシステムを組み込む必要があります。
(店舗にスタンドアロン型のデジタルサイネージを1台だけ導入し、常に従業員の目が行き届くような場所に設置されている場合などはその限りではありません。)
また、コンテンツなどソフト面だけではなく、ディスプレイやSTB(セットトップボックス)などのハードウェアは、電子機器であるため、定期的に状態を確認したりメンテナンスする必要があります。一般的にデジタルサイネージの耐用年数は3~5年といわれています。
ハードウェアのトラブルとしては、「画面が暗くなる」「画面の色味が赤っぽくなる」などがあります。また、衝撃などが加わることによる突発的な故障も起こりえます。
定期的なメンテナンスを行うことで、トラブルをあらかじめ防ぐことに繋がります。
トラブルに迅速に対応するためには、連絡先の把握や障害時のフローを確立しておくなどリスクマネジメントが重要となります。
デジタルサイネージは、ディスプレイなどのハードウェア・コンテンツ管理のソフトウェア・ネットワークなどを統合して運用しています。そのため、トラブルが起こった際は、その原因がどこに由来しているものなのかを正確に見極める必要があります。そして迅速に解決するためには、専門的な知識と経験が必要となります。
場合によっては、保守・管理をアウトソーシングすることをおすすめします。
まとめ
デジタルサイネージの更新やトラブル対応などの運用には、事前に運用計画を立てることが重要であり、それにより必要なリソースやコストも把握できるようになります。
コンテンツの作成から配信管理・監視からトラブル対応まで、デジタルサイネージの運用をワンストップでサポートしてくれるサービスを提供している事業者が数多く存在しています。
どこまでが自分たちで対応可能なのかを見極め、自社で運用するコストとアウトソーシングするコストを天秤にかけより適当な運用方法を見つけましょう。
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